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第31号国税庁 監視される富裕層の資産 海外口座250万件超の情報入手

<2024年2月12日付 納税通信 第3810号2面引用> 

 国税庁は1月31日、租税条約などに基づく各国との情報交換の最新データをまとめて公表した。

個人・企業による国外への資産移転が世界的に増加するなか、国際的な租税回避行為や資産隠しへの対応が各国で課題となっている。国税庁はこうした動きに対応して、CRS(共通報告基準)に基づく海外口座の情報共有を含め、外国税務局との連携を強化している。


 国税庁が日本人の海外資産の情報を取り寄せる手法の一つが「法定調書情報の自動的情報交換」だ。海外で利子、配当、不動産賃借料、知的財産などの使用料、給与、報酬、株式のキャピタルゲインなどの収入があったときは、その国で収入を法定調書に記載して申告する必要がある。

 この法定調書情報は、当該国の税務当局から国税庁へ自動的に送付される。国税庁では、法定調書情報を国内での申告内容と突き合わせて、その内容に誤りや虚偽が含まれていないかをチェックしている。最新データによれば、2022事務年度には、この法定調書の「自動的情報交換」によって約7.7万件の非居住者の情報を受領し、約75万件の情報を外国税務当局に提供している。非居住者の住所でみると、アジア・大洋州が約11万件、北米・中南米が24万件、欧州その他が約40万件だった。

 また非居住者の銀行口座情報を各国の税務当局間で年に1度交換するCRSでは、252万6181件の情報を受領し、53万2037件の情報を提供している。受領・提供ともにアジア・大洋州が過半数を占めた。      

 CRSなどの自動交換とは別に、国内で入手できる情報だけでは事実関係を突き止めきれないときには、必要な情報の収集・提供を外国税務当局に要請することがある。この「要請に基づく情報交換」を、国税庁では「国際的な取引の実態や海外資産の保有・運用の状況を解明する有効な手段」と評価している。要請によってもたらされる情報の具体的な中身は、海外法人の決算書、契約書、インボイス(送り状)、銀行預金の口座取引明細書などとなっている。また、外国当局の調査官が直接、取引担当者にヒアリングして得た情報などもあるという。22事務年度には、641件の情報を提供し、252件の情報を入手した。

谷の私見
 資産フライト、と言われるように、グローバル化が進む中、法人・個人の財産が良くも悪くも、他国に跨って保有されることは珍しくないですね。移転価格税制や、居住者判定、の際も同じことが言えますが、各国で税金を取り合っている状態に企業や個人が挟まれている、という状態自体が問題ですね。ただ、各国としては自国の課税権を主張するのは当然ですので、納税者が事前にその事態を予測し、税理士等の専門家へリスク検証しておくことが大事だと思います。

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