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時事ネタ

第18号 相次ぐ幼稚なトラブル マイナンバーなんてやめちまえ!!  


<所長のミカタ 2003年8月号16面引用>

 政府は従来の健康保険証を廃止して、マイナンバーカードによる「オンライン資格確認」に一本化する方針だが、ここに来て制度の根幹を揺るがしかねないトラブルが相次いでいる。もはや制度的が破たんしていると言っても過言ではない状態だ。

 トラブルの続発を受け、政府はデジタル庁、厚生労働省、総務省の3省庁による「総点検本部」を立ち上げ、沈静化に躍起になっているが、トラブルを発生させた張本人が自らチェックする「総点検」での信頼回復など土台無理な話だ。一部からは「もうや、やめちまえ!」との声も上がる。

 デジタル庁は、マイナンバーカードに紐付けられた公的給付金の受取口座が家族名義になっていた事案が13万件以上に上ることを明らかにした。他人の口座が誤登録された例も700件を超すという。

 公金受取口座の紐付けは昨年夏以降、カードの取得率アップを図るポイント事業の目玉となっていたが、それをチェックする仕組みがなかったというから驚きだ。

 とりわけ深刻なのが、マイナカードと保険証を一体化した「マイナ保険証」を巡る問題だ。別人の情報が登録されてしまい、その情報をもとに患者の取り違えが起きると、飲んではいけない薬を飲んでしまい、人の命や健康に直接関わる重大な事故などに発展する可能性があるからだ。

 さらに、別人の情報を間違って本人の資格情報(加入している健康保険や自己負担限度額など)に紐付ける「誤登録」が2021年10月から22年11月までの1年2ヵ月間に7千件以上見つかったと厚労省が発表した。誤登録は2月に関係する省庁や団体に報告されたが、国民には周知されなかった。最大2万円分のポイント付与をPRし、カードの普及に躍起だった時期だ。

 マイナ保険証は、現在の紙またはプラスチック製の健康保険証を廃止して、マイナンバーカードを保険証として利用するというものだ。カードに直接、保険証情報を入れるのではなく、個人情報を紐付けることで一体化させる。カード裏面のICチップに搭載された電子証明書を医療機関にあるカードリーダーに読ませ、顔認証または暗証番号の入力で本人確認をし、患者の医療費や薬の情報を確認できる。

 厚労省によると、約7千件の誤登録のうち5件については別人の薬剤情報や医療通知情報を閲覧されていたという。だが医師や歯科医師でつくる「全国保険医団体連合会 (保団連)」の調査では、厚労省発表の5件にとどまらず、 医療現場で「他入の情報に紐付けられていた」というケースが、25都府県で少なくとも 85件確認されている。保団連では閲覧された事例はさらに増える可能性があるとみている。

 マイナ保険証はすでに稼働しており、患者側が個人情報の共有に同意すると医療機関側も情報を確認でき、国はデー夕を基により良い医療の提供につながるとして来年の秋には現行の健康保険証を廃止する方針だ。しかし、その前提となる資格登録が間違っていると、マイナカードによる資格確認が意味をなさなくなる。保団連によると、誤登録とは別に、オンライン資格確認をめぐるさまざまな不備が医療現場から報告されている。

カードリーダーでマイナンバーカードをかざしても、医療機関のコンピューター画面で「該当資格なし」と表示されるケースが相次いでいるという。

さらに、保団連の調査ではマイナ保険証が機能せず、患者が医療費を10割負担した事例が700件超あった。通常国会で成立したマイナンバー法によって従来の保険証が廃止されると、マイナカードによる資格確認に頼らざるを得なくなる。その際、オンライン資格確認で「該当資格なし」となると、正確な内容がわからないので、窓口でいったん医療費全額(10割負担)を支払う事態となる。厚生労働省はマイナ保険証が機能しない場合、通常通り3割負担で診療するよう医療機関に指示したが、後に無保険と分かっても差額を回収できない事態が起こり得る。このまま制度移行を強行すれば、 国民皆保険制度が崩壊しかねない。

 「保険証の原則廃止を目指す」と明記したのは、昨年6月に閣議決定した「骨太の方針2022」だった。厚労省はこれまで「現行の保険証も利用できる」との認識を示していたが、河野太郎デジタル相は昨年10月、カードと健康保険証の一体化に向けた取り組みを前倒しするために、保険証を「廃止」するとして、先に触れた通りその期限を24年秋とした。マイナカードの普及を急ごうとした河野氏の鶴の一声によって決まったものだ。

 共同通信社による全国電話世論調査では、「健康保険証廃止」の政府方針に対して「延期するべきだ」が38.3%、「撤回するべきだ」が33.8%で、 「廃止すべき」は24.5%にとどまった。岸田首相はマイナンバーを巡るトラブルが相次いでいることについて、今年秋までを目途に総点検を行った上で、現行の保険証の全面的な廃止について「国民の不安を払拭するための措置が完することが大前提だ」と強調した。

 しかし、現時点で発覚していない情報連携のミスも今後、判明する可能性は高い。そして国が自ら招いたトラブルを自ら総点検することで果たしてマイナンバー制度への信頼が得られるのだろうか。

 国民の多くがマイナ保険証どころかマイナンバーカード、さらにはマイナンバー自体にあまりメリットを感じてはいない。ならばこのあたりで一度仕切り直して、制度を考え直す時期ではないか。一部では、「もう、マイナンバーなんてやめちまえ」との不満が募っている。                             

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谷の私見
 新しいことに取り組む場合、どうしてもミスや、トラブルがあることは仕方ないですが、マイナンバーカードはそもそも必要かという疑念がどうしても消えません。行政手続きにおいて、マイナンバーを付すことで手続きが簡略化されるのは良いことだと思いますが、マイナンバーカードは必要なのでしょうか??
 健康保険証だって今まで通りで国民は何も問題なかったはずで、インボイス制度にせよ、電子帳簿保存法にせよ、国民が望んでいないことを強行的に進める今の日本、そして未来が心配です。
 我々国民も、国が何をしようとしているのか関心を持ってチェックすべきだと改めて思わされる一件です。固定資産税は賦課方式といって、行政が税額を確定してきます。申告納税の場合、納税者はミスを発見しやすいですが、賦課方式の場合「合っているだろう」と思い込み、大してチェックしないのが現状かと思います。
 また、居住用土地の減額特例などが漏れていたとしても、そもそもそのような減額特例があること自体、知らない納税者がほとんどだと思います。
 結局は、行政を信じ過ぎず、自分のことは自分で守る、という意識が大切なのだと改めて思う次第です。


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