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事業承継にかかる資金は

事業承継問題は、多くの中小企業にとって経営者の高齢化に伴い緊急の課題となっています。最近の傾向としては、少子化や経営者の親族が職業を自由に選びたいという考え方の広まりから、親族の中での後継者選びが困難となっているケースが多くあります。たとえ会社経営に意欲のある後継者がいたとしても、事業承継に伴う資金には多額の金額が必要となることから二の足を踏むケースも多くあります。ここでは、事業承継にかかる資金問題について見ていきましょう。親族での事業承継の場合に必要な資金としては、自社株式や事業用資産を買い取るための資金、相続あるいは贈与によって自社株式や事業用資産を取得した場合の相続税や贈与税の納税資金、などがあり、親族以外が事業承継する場合は、会社の株式や事業を取得するための資金、を調達する必要があります。親族での事業承継にとって悩ましいのは、相続税や贈与税といった納税資金ではないでしょうか。2013年に税制改正があり、相続税が引き上げられたことによる税負担が増大しているからです。そのため、国としては、中小企業の事業承継をスムーズに移行するための施策として、経営承継円滑化法を制定しています。この法により、事業承継に関する税制に特例を設けており、中小企業において後継者が会社の株式を承継する場合には、相続税については80%を、贈与税については100%を、5年間納税を猶予されるとしています。また、融資に対して政府系の金融機関から低利での融資をしてもらえる場合があります。日本政策金融公庫では、相続などによる会社の株式が親族の中で分散される恐れがあるとされるときに後継者が会社の株式を取得しようとする場合、後継者が個人として自社の株式や事業用資産の買取を行い相続税や贈与税を納税する場合、には特別な低利融資を行っています。また、親族外への事業承継が増えていることから、M&Aによる事業承継の場合についても、低利の融資が設定される場合があります。経営承継円滑化法の認定を受けた中小企業では、信用保証協会の保証を活用する道もあり、通常の保証枠に加え別枠の保証も活用することもできます。このように資金の調達もやりやすくなっているので、円滑な事業承継がやりやすくなっています。